今日は少しマニアックな、
ヴィンテージ雑貨の買い付けでのお話です。
フィンランドでヴィンテージ雑貨を扱う方と知り合い
先日帰国された後に扱われているものの
画像とリストを送ってもらいました。
「あまり大きなお店ではないけど」と言っていましたが
なかなかマニアックな品揃え。
期待しながら写真を見ていると
その中でなんだか気になる器が…
あれ、これ、ブルールスカ じゃないかな。
※以前入荷したもの(SOLD OUT)
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが
ルスカ はフィンランドARABIA社で
1961-1999年まで製造されていた
同社を代表する人気のシリーズ。
通常はブラウン系統の鉄釉ですが、
初期に僅かに別カラーが製造されています。
価格も高めですが、人気もあるシリーズです。
もらった写真には小さく写っており
しっかりと同定する事が出来なかったので
ドキドキしながら連絡を入れます。
「写真の、私が赤丸したお皿、詳細教えてくれますか。
多分リストにはなかったと思うんだけど。」
買い付け歴も二桁年ですが、
未だに掘り出し物と思うと胸が高鳴ります。
なかなか業が深いものです。
翌日、メールが返ってきました。
そこには「あのお皿はアラビアのブルースだよ。
リストにある◯ユーロのもので6枚あります。」
…との事。
しかしながら、私が見る限りBluesではありません。
あれはあれで良い製品ですが、
リム(縁)の角度、色、釉薬の光沢。
その全てが異なるシリーズであることを示しています。
(これは…やはり!)
古びた狸のような顔になりながら
良い出会いに感謝して添付写真をあけます。
(あとは…コンディション。)
・・・ドキドキしながらクリックすると、
そこにあったのはブルースでもルスカでもなく
コルピ、というルスカと似ているまったく別のシリーズでした。
※最初の写真はもっと緑がかったものでした。
コルピも大好きなシリーズだけど!
大好きなんだけど!
・・・なぜか頭にまったくありませんでした。
何とも業が深いものです。
見比べてみると色見は青が強く、
決定的なことにバックスタンプのうちの1つに
コルピの製造年(1973年)がしっかりと印字されていました。
ブルールスカは年代が合いません。
・・・欲深は、いけませんなぁ。
私の心の中の和尚さんが私に諭します。
ということで、ブルールスカは残念ながら、でしたが
今回はその他でいくつか、良い打ち合わせが出来ました。
先ほど終わった打ち合わせのものは
今月末頃、お店に届く事になりそうです。
フィンランドからの、黄色い器。
月末頃にご紹介予定ですので、
またご覧いただけましたら
「あの欲深いバイヤーのやつね。」と
ご笑覧いただけますと幸いです。