北欧買い付け裏話2019 Vol.8(最終話) 年を重ねるという事。

北欧での買いつけ、最終日。

フィンランド、ヘルシンキから日本へ出発する便は
多くは夕方にヴァンター空港を出発します。

フィンランドの中心部から、空港までは電車やバスで1時間ほど。
たとえば5時出発の便ですと・・・初日の事もあるので優等生に3時到着としても
2時頃までは街中をぶらぶらする事が出来ます。

最終日ぎりぎりまで買付をするという選択肢もあったのですが、
この日は毎年開催されるフィスカースという街の大きな蚤の市の前日でしたので
市内の主なヴィンテージショップは出張のためお休みです。

これ幸いと、ホテルに荷物を預け、チェックアウト済ませてから
行きたかった場所に遊びに行ってきました。

この旅で行きたかった場所のひとつ”artec 2ND CYCLE”。
フィンランドを代表する家具メーカー、アルテックのUSEDを扱うお店です。

ここではフリーマーケットや学校、工場、造船所と行った場所から
使い古されたスツールを買い取る試みを2006年からしています。

自分の価値観の中で、アルテックスツールのような制作方法は
“製造時に完成されている”ものという感覚があり、
使用するにつれ板の剥がれが色落ちが出来やすいものといった
どちらかといったネガティブなイメージが少なからずありました。

もちろんそれはデンマークなどのヴィンテージにもありますが、
修復によって改善する、あるいは色の変化なども良い変化と
価値付けられやすいものとどこか対比的に見ていたものだと思います。

実際店舗にもアルテックスツールやセブンチェアなども
何度か店舗に入荷しているのですが、なるべく良いコンディションをと
セレクトする際はほかのヴィンテージに比べ神経を使っていたものです。

セカンドサイクルの考え方は、逆です。
年月を重ねる事は新たな魅力と価値が加わる事。

セカンドサイクルがあるのは、
“色あせない魅力を実証するとともに本当に良いものを選び、
いつまでも使い続ける大切さを伝える”こと。

理念は立派ですが、
なかなか実感する事は難しいものだと思います。

ただ、私はこの空間に行く事でその考えを
すっと受け入れることが出来ました。

使い古され、ボロボロになったスツール。
色は剥げていますがそれも味わいと感じさせられる展示。
組み合わせ方にも家具への愛情を感じます。

経年の変化を感じるスツール。
色だけでなく、良く見るとその人の座り癖まで出ています。

歴代の家具の展示も。まるで小さな美術館になっています。

バックルームも少し覗かせてもらうと、
引き取ってきてこれからクリーニングへと向かうであろう
名作家具たちが多く眠っていました。

古いだけだ、と感じられる方も多いと思いますし
新しいものが良いと言う価値観ももちろん尊重したいと思います。

それとともに、永く愛用していくことで
その方の生活を小さなところで支える、彩る、
良いインテリアってそういうところにも意味があるのでしょう。

出来るだけ長く、生活を良い意味でサポートできるような
そんなインテリアをご紹介していきたいとあらてめて思えた時間でした。

あまり長居をしたつもりではなかったのですが
気がつけば良い時間になっていましたので
同じブロックにあるトーベ・ヤンソン(ムーミンの作者)住宅跡を訪ね、
荷物を引き取り空港へ向かいます。

ヘルシンキの中央駅からは10分~20分おきには空港への電車があります。
おかげさまで何度か乗った便ですので、方向音痴の私も迷わず乗車。

事前には雨の予報が多かったのですが、
現地に行ってみると実際は大雨に見舞われたのは1度だけでした。

交通では初日に悩まされましたが、
それ以外は買付も順調で・・・結果的に買付旅で最も寝不足にはなりましたが・・・
良い旅になったのでは、と思います。

小さな問題はいくつかあったのですが、
これも年々対応に慣れてスムーズに解決できるように・・・
年を重ねる、と言うのもなかなか良いものですね。

今年の北欧現地買付は、これで無事終了。
・・・ですが、新たに知己も得る事が出来ましたのでまたすぐ現地からの入荷が続く日々になりそうです。

近々また現地との打ち合わせ、入荷も重ねて行きますので
これからもご来店するたびに変化するお店を楽しんでいただけそうです。

近隣にお住まいの皆様も、ご遠方にお住まいの皆様も、
実店舗もWebもこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
より良い店舗を目指して頑張りますね。

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【 About Prae 】


プラエは2010年、徳島に誕生した"北欧ヴィンテージ家具"や"北欧食器・雑貨"やオリジナル家具、植物などを扱うインテリアショップです。

デンマーク語で「Hygge(ヒュッゲ)」という言葉があります。 他の国の言葉にするのが難しいのですが、『どことなく温かくて、居心地の良い雰囲気』といった彼らの独特の言葉です。北欧の暮らしやデザインが注目されるようになっていますが、それは純粋になにかのモノだけではなくどこか「Hygge」な空気感が私たちを惹き付けて止まないのかもしれません。

座り心地のよい、木製の椅子。 取っ手がレトロで使い勝手の良い50年前のデスク。 レトロで可愛い食器。 これって何に使うんだろう?そう思わず見入ってしまう古い古いオブジェ。プラエはときどき北欧に買付に行き、そこで出会ったものたちを大切に連れて帰ったりしています。

お店はそんな出会ったモノたちと、あなたのお部屋をつなぐ場所です。古いものだけではなくて、国内外で作られた中で北欧デザインを生かした家具をセレクトしたり、 オリジナルで家具を製作したりもできますので、コーディネートのご相談も良かったら。 ホームページやブログを見てもらって、お店に来てもらって。 どことなく居心地の良いそんな時間を過ごしてもらえれば、幸せです。

Prae Inteiror (プラエインテリア) 代表 香川 拓也