フィンランド【ARABIA】の歴史

北欧食器を代表するブランドの一つ、アラビア。

同社は1873年11月、
スウェーデンのRorstrandがフィンランドの
ヘルシンキ郊外にあるアラビア地区に
設立した製陶所がスタートとなります。


※写真:arabia.fi

当時フィンランドはロシアの統制下にあり、
ロシア国内での販路を確保するために開業されています。

アラビア窯では食器のほかにも衛生陶器をその仕事の中心としていました。
ラインナップは少しずつ独自の製品を増やしていき、
1900年のパリ万博では金賞を受賞した作品も出てきます。

第一次世界大戦の影響もあり、
1916年にはロールストランドはアラビアの株式を
フィンランドの起業家に売却、独自の道を歩み始めます。

この年はロシア革命の前年でもあり、
アラビアはフィンランドの国民的製陶所として
大きく成長をしていくこととなります。


1919年、生産プログラムは抜本的に改革される計画が出され
その後5年間で工場は近代的なものへと変化します。

しかし海外からの輸入品が市場を席巻し、
アラビアの商品は販売予測を大きく下回り
過半数の株式がArnholdグループ(ドイツ)に売却されてしまいます。

経済的に危機をむかえたアラビアですが、
その後以前の親会社であったロールストランド社や
フィンランドのLidköping社から株式の譲渡を受け
1932年に再度、独立することとなります。

同年、アラビアはKurt Ekholmをディレクターに迎え
Arabia Art Department(アラビア芸術部門)を設立。

1945年には「デザインの良心」と呼ばれた
カイ・フランクをむかえ、抱える工場スタッフは
2000人を超えるまでに成長します。

新たなデザインを多数発表し、世界的に
高い評価を得る一方で第二次世界大戦による
インフレ、生産コストの上昇が重なり
会社は再度経営の危機を迎えます。

資金面で1947年には船舶・エネルギー資源を扱う
Wärtsilä (ヴァルチラ)が資金援助を行い、アラビアは子会社となります。*1

現代に繋がるプロダクトとしては
この時期にアラビアのKilta(のちのTeema)が発表されます。

その後エミリア、ルスカ、ヴァレンシア、パラティッシといった
名作を次々と発表しアラビアはテーブルウェア界で
世界的に高い評価を受け続けます。

1971年は衛生陶器はTammisaarenPosliiniに移管し、
アラビアではより専門的な製品を集中して製作するようになります。*2
なお商標上、1971-77年の7年間の間
NuutajärvenLasiとJärvenpäänEmaliでもアラビアのスタンプが使用されています。

1981年にはKiltaの後継としてTeemaの生産がスタートします。
生産はより近代化され、また時代にあったミニマライズされた
テーブルウェアが人気を博し日本を含め多くの地域でも
多くのアイテムが広まっていきます。

1990年には親会社がHackmanに変わります。
この時期に「ムーミン」マグがシリーズとして発売されます。
同時期には後に日本での北欧食器ブームの火付け役となる
24hシリーズも発売がスタートされました。

その後、手彩色部門は2003年に閉鎖、
2007年にはロールストランド・イッタラを含めたグループ(Fiskars)に親会社を変え、
2014年にはヘルシンキ工場から海外工場へと生産拠点の移転など
より近代化を図りつつアラビアは発展を続けています。

時代のニーズに合わせ、
また新しいデザインを常に模索し続けるアラビア。

現行品はもちろんですが、
ヴィンテージとなったアイテムも高い評価を得ており
価格も年々上昇し、世界中のファンを魅了しています。

ライフスタイルが変化しても左右されず、
上質な暮らしをデザインで支えるアラビア。
これからも目が離せないブランドです。

→ アラビア(Vintage) @Prae Interior

*1 この時期に製作されたものはバックスタンプでWärtsiläと書かれている事があります。
*2 これ以前に建てられた建物ではアラビアマークのトイレに出合う事もしばしばです。
フィンランドのホテルに宿泊した際はチェックしてみて下さいね。

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【 About Prae 】


プラエは2010年、徳島に誕生した"北欧ヴィンテージ家具"や"北欧食器・雑貨"やオリジナル家具、植物などを扱うインテリアショップです。

デンマーク語で「Hygge(ヒュッゲ)」という言葉があります。 他の国の言葉にするのが難しいのですが、『どことなく温かくて、居心地の良い雰囲気』といった彼らの独特の言葉です。北欧の暮らしやデザインが注目されるようになっていますが、それは純粋になにかのモノだけではなくどこか「Hygge」な空気感が私たちを惹き付けて止まないのかもしれません。

座り心地のよい、木製の椅子。 取っ手がレトロで使い勝手の良い50年前のデスク。 レトロで可愛い食器。 これって何に使うんだろう?そう思わず見入ってしまう古い古いオブジェ。プラエはときどき北欧に買付に行き、そこで出会ったものたちを大切に連れて帰ったりしています。

お店はそんな出会ったモノたちと、あなたのお部屋をつなぐ場所です。古いものだけではなくて、国内外で作られた中で北欧デザインを生かした家具をセレクトしたり、 オリジナルで家具を製作したりもできますので、コーディネートのご相談も良かったら。 ホームページやブログを見てもらって、お店に来てもらって。 どことなく居心地の良いそんな時間を過ごしてもらえれば、幸せです。

Prae Inteiror (プラエインテリア) 代表 香川 拓也